シュガー・ボーイを追いかけろ!
「苦節一年半の片思いの末、4度目の失恋をした私に一言お願いします」
「おつかれっす」
「あんな男もともと辞めとくべきだったのよ、これからのなつかの人生に幸あれ」
「心温まるメッセージありがとうございまーす…」
亮太くんやヒカルに何言われてもダメだった。
さすがの私も立ち直れない。
もう二度と、竹内くん姿は見れないだろうなと思った。
そう思った二秒後、
「あ、陸だ」
亮太くんがおもむろに廊下を見つめた。
「…亮太くん、その手には乗らないよ?
さすがに騙されな、」
「綾瀬、ちょっと」
いつもだったら大好きな低い声も、
今日はただの警告音にしか聞こえない。
呼ばれた瞬間私は教室から飛び出した。
「あ!!ちょ、おい!!!!コラ待てクソガキ!!!!」
後ろから恐ろしい声がする。
クソガキって口悪いな。
そんなことを考えつつ必死で脚を動かす。
伊達にパシリ歴が長かったわけではなく、私の脚は確実に鍛えられていたようで。
簡単に竹内くんをまくことができた。