シュガー・ボーイを追いかけろ!
「ええ何その反応…」
女子かよ…
そう言ってドン引いた顔をする亮太くんに鼻フックをキメる。
まだ赤い顔で袖で顔を隠す竹内くんを見て、私は否応無しに鼓動が早くなっていくのを感じた。
「…あのさ、竹内くん
私っ、「ちょっと待ったもうこれ以上なんも言うな」
遮られた言葉はなんとも言えないこの空気に千切れて消えた。
「今回は、今回は待ってくれよ。
もうお前には言わせないから」
相変わらず真っ赤な顔で竹内くんは言う。
言わせないって、
それって、
私今度は期待していい?
「なにこれどういう状況?」
感情の籠っていない声がして、死んだ目で私たちを見る亮太くんに気付く。
「…ごめん、亮太くん
今日は帰ってもらっていい?」
「え、俺強制退場?
仮にも一応君に付き合ってって言ったばっかなんだけど?」
「また明日学校で、夜道には気をつけてね!」
「無視なの?俺ってなんなのほんと…」
ブツブツ言いながらも背を向けた亮太くんに適当に手を振る。