シュガー・ボーイを追いかけろ!
詰まりながら話す顔は相変わらず険しくて、鋭い目と赤い頰がミスマッチで、
なんだか眩しい。
少し風が吹いて竹内くんの茶色の髪がふわりと靡いた。
「ちゃんとしないとって思ってんのに
…お前めっちゃ好きとか言ってくるから…」
"なんで、また…"
4回目の告白をした時のあの苦い顔を思い出す。
"今回は、今回は待ってくれよ。
もうお前には言わせないから"
そう言った、あの切羽詰まった顔。
「もう4回も告られっぱなしで、
今度こそ俺から言おうって思って待ってくれって言ったのに聞かねえし、すぐ暴走するし
なんなの?お前」
そう言って睨んできた顔が真っ赤で、
いつもの迫力は全くない。
ああ、だめだ。
また怒られちゃうかもしれないけど、もう抑えられない。
「……っ、
竹内くんだいすきいいいいいい!!!!!!!!!!!!」
今世紀最大の声をあげて竹内くんにダイブした。
「うわ、まじかよお前…!」
勢い良く倒れ込んだ竹内くんは私を庇うように抱き止めてくれて。
それがまた嬉しくて、
目の前の広い胸におでこをすり寄せた。
ぎこちなく背中に回った腕の感触に思わず顔を上げると、眉間に皺を寄せた顔で首まで真っ赤になった竹内くんがいる。
ーーー4回も告白して、
それでもダメで。
だけど私、今こんなに幸せでこんなに笑ってる。