シュガー・ボーイを追いかけろ!
上機嫌で教室へ戻ると、ヒカルが血相変えて走り寄ってきた。
何事かと身構えると、
「竹内がさ、本命出来たって噂立ってるらしいよ!
なんか今まで何人かいた彼女とどんどん別れてるらしいんだって」
そう耳打ちしてきた。
竹内くんに、本命…
本命…?
呆然とする私のもとにやってきたのは、竹内くんの幼馴染。
「ね、亮太くんそれ本当?」
すがるように彼を見ると、亮太くんは眉を下げて頷いた。
「なつか、もう竹内はやめなって。
私はもう見てられないよ、なつかがパシリみたいなことさせられてんの」
そう言って私の肩を揺すったヒカルの声もどこか遠くで聞こえる。
私はそれからぼんやりしたまま1日を過ごした。