誰にもあげない。私だけのお兄ちゃん♡
「私じゃダメなの…?」

顔を涙で濡らしながら、私はまっすぐお兄ちゃんを見た。

「…っ!…悪い…俺、レアに連絡する。」

またそうやって逃げるんだね。
お兄ちゃんの弱虫。

「あの女は出ないよ。」

「…え?」

「こっち来て。」

私はキッチンにお兄ちゃんを呼んだ。

「…レアが出ないってどういう…」

「お料理したから。私が。」

包丁を片手に微笑む私。
驚いて動けないお兄ちゃん。
私はお兄ちゃんの腕目掛けて小さいナイフを投げた。お兄ちゃんの腕に見事に擦り、お兄ちゃんは腕を押さえてこっちを睨んだ。
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