誰にもあげない。私だけのお兄ちゃん♡
「…ん?開いてる。メル先に帰って来たのかな?」

お兄ちゃんとあの女が帰ってきた。2人は手を繋いでいる。今すぐあの女の手を切り落としてやりたいけど、私は我慢して物陰から様子を見る。
このマンションはセキュリティが甘い。
防犯カメラすら無いから、私がこんな怪しい動きをしていても、目撃者すらいなければ平気だ。

「ただいまメル…って!何だよこれ…」

家からお兄ちゃんの驚いた声がした。

ああ、懐かしいな…
2人でかくれんぼした時、お兄ちゃんあんな声で驚いてたな…私が凄いところに隠れてたから。
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