誰にもあげない。私だけのお兄ちゃん♡
しばらくしてから、私は家に入った。

「ただいまー。お兄ちゃん、どうし…きゃぁあ!な、何でこんな…」

我ながらリアルに演技できた気がする。

「分からない…多分空き巣か何かだろう…でも大丈夫だ。金とかは盗られてなかった。」

大丈夫だろう…じゃないでしょ?
お金があるか確認したの?お金の隠し場所、この女に知られたの?全然良くないよ。お兄ちゃん。

「とりあえず俺、ケーサツに電話する。」

そう言ってお兄ちゃんは部屋に戻った。

キッチンに取り残された私とあの女。
あの女は気まずそうに俯いて、お兄ちゃんの部屋に戻ろうとする。

「待てよ尻軽女。」
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