百万人の愛を選ぶか、一人の愛を選ぶか〜ロボットの選択〜
小さなベッドの上で眠る小さな命を、ミカエラはカイとサバンナとともに眺めた。

大人よりずっと柔らかくて、強く抱きしめたら壊れてしまいそうな小さな命。天使のような顔で眠っている。

「……かわいいですね」

ロボットの自分にはできないことだ。人間の女性の体をしているが、子どもを産むことはできない。それがミカエラにとって、なぜか悔しかった。

「でしょ？私たちの天使よ！」

「名前を付けなきゃな」

二人は嬉しそうに名前を考える。

女の子は、ガブリエラと名付けられた。

ミカエラはサバンナにガブリエラの世話を任されることが度々あった。特に夜、三時間のミルクをあげたりオムツを交換したりするのをずっと起動した状態でし続けた。

「ミカエラ、お母さんみたいだな。ミカエラが生んだみたいだぞ」

泣き出したガブリエラをあやすミカエラに、カイが笑いながら話しかける。

「変わるよ。ほら、ガブリエラ！パパだぞ〜」

カイがガブリエラを抱きしめ、あやす。まるで家族のようで、ミカエラは嬉しく思った。

しかし、神様は残酷だ。

ガブリエラが生まれて二年後、カイとサバンナの間に、また新しい命が誕生した。今度は男の子だ。
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