百万人の愛を選ぶか、一人の愛を選ぶか〜ロボットの選択〜
その日の夜、「アイス食べたい!」と二人が駄々をこね、ミカエラは買いに行くことにした。カイが「一緒に行こうか?」と訊ねたが、ミカエラは「大丈夫です」と言い、街へと向かう。

街は明るい光で包まれている。夜の街に来るのは、ミカエラは初めてだった。昼間とは全く違う景色に、ミカエラは辺りを見回しながらスーパーへと向かう。

夜の街は、お酒を飲むために歩く人でいっぱいだ。千鳥足の人にぶつからないように、ミカエラは慎重に歩く。

すると、前方から酔っ払った女性と男性が歩いてきた。その女性を見て、ミカエラは大声を出してしまった。

「サバンナ!?」

顔を赤くし、下品に大声で笑うサバンナは、ミカエラを酔った目で見つめた。

「ああ〜…何よ〜ミカエラ?何〜?何か用〜?」

「こいつ誰〜?一緒に飲む〜?」

隣に立つ男性が、下品に笑いながらミカエラの胸に手を伸ばす。その手をミカエラは避け、サバンナに訊ねる。

「こちらの方は一体誰なんですか?」

「ああ〜。私の彼氏〜!背が高くてカッコいいでしょ〜?」

「どうも〜!女性の胸と尻が好きな彼氏で〜す!大きい方が好みだな〜」

ゲラゲラと笑う二人に、ミカエラは怒りを覚えた。家事や子育てもせず、数年もの間こうして遊びまわっていたのか。
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