百万人の愛を選ぶか、一人の愛を選ぶか〜ロボットの選択〜
自分の命よりも どんな宝物よりも
大切なものがここにあるの
私は誓う 彼を守り抜くことを
壊れても 声が枯れても
彼のそばで歌い続ける おかしいと叫ぶ
いつか色を超えて交わる日が来ると信じて
カイの演奏に皆が驚き、ミカエラの美しい歌声に皆が魅了されていく……。
カイへの差別心がなくなり、歌姫が誕生した瞬間だったーーー……。
カイはたちまち、学校や街の人気者になった。
この国にも音楽は存在する。しかし、カイの生み出す音は全く新しい特別なものだった。そのリズムやメロディーに皆は心を掴まれ、カイを認めたのだ。
カイは友達が増え、一緒に遊んだり楽しそうだ。
ミカエラとポールは安心し、微笑んだ。
ミカエラとカイは休日になると街へ出かけ、街中で路上ライブをするようになった。カイがやりたいと言ったのだ。
「自分に自信がついた!僕とミカエラならできる気がするんだ!」
目を輝かせ話すカイに、ミカエラは「やりましょう!」と笑顔で言った。
路上ライブは回数を重ねるごとに聴いてくれる人は増え、路上ライブを始めてもう九年が経とうとしていた。