未知の世界6
『うん、胸のおとは相変わらずの調子だね。
この音ではもう驚かないけど、悪くなったらすぐ強制送還ね。』
怖いことをサラッと言う椎名先生。
「あ、あの。どういうことですか?」
恐る恐る聞いてみる。
『え?一緒に海外研修。』
へぇ、そうなんだ。いや、違う!
「なぜ私の部屋に?」
『それは決まってるでしょ?ダーリンに頼まれたの。』
そのダーリンって…孝治さんのことだな。
あれ?でも私がここに来ることを知ったのは、椎名先生が我が家に来た時のこと。それから応募したのかな…。
色々な疑問が頭に浮かぶけど…。
「えっ!?じゃあ孝治さんの言ってた、日本から一緒に行く私の知ってる先生って。」
『そゆこと。
だから時間のある時は診察するから。よろしく。』
そう言うと、椎名先生は聴診器や血圧計を片付けて、バイビーと言いながら部屋を出ていった。
あぁ、辛口の椎名先生にまた診てもらうことになるとは…。