未知の世界6
目が覚めると…
あれ?
胸のあたりはスッキリしていて、ザワつきも痛みさえもなかった。
「はぁ……」
何だったのかな…
起きてご飯前の薬を済ませて、朝の準備をして仕事に向かった。
たけるに話そうと思っていたけど、たけるは夜中に呼び出されたのか、朝にはいなかった。
寮の隣が病院だけど、今日は足取りが思い。
たけるがいないせいかな…
ジャクソン先生に問い詰められたせいかな…
それとも、昨夜の………
思い出したくない。
ブルルルルルルル…
携帯のバイブが鳴る。
表示を見ると『幸治さん』
あ…ずっと連絡するの忘れてた。
「もしもし…」
『ようやく繋がった…
いつになったらそっちから連絡が来るのかと思ってたけど、なかなか来ないから、何度も掛けてたのに。』
ため息混じりで呟く孝治さん。
「すいません…こっちの病院の関係者からしか、携帯を鳴らさないようにしていて。」
『それでもかけれる時はあっただろ?』
「はい…本当にごめんなさい。」
『今は大丈夫?』
「はい、寮から病院に歩く途中です。」
『なら手短に。薬は飲めてるか?』
「はい。あ…少し飲めてない時も」
『えっ!?忙しくても飲まないと倒れるぞ。』
「はい…」
『もうそろそろ切れる時だから、そっちの病院に必ず受診するんだぞ。』
「はい、分かりました。」
そう返事をすると、薬は必ずちゃんと飲めと念押しされ、電話は切れた。
呆気ない電話に久しぶりの声を惜しむ時間もなく…
孝治さんに言われた、こちらの病院での受診について、いつにしようか…それをジャクソン先生に言うべきか…また考えることが増えてしまった。