未知の世界6
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」
目が覚めると同時に息苦しさが襲ってきた。
目を開けて見た天井は…
「ん……はぁはぁ…どこ?」
息を整えながら起き上がると、綺麗な部屋のソファに寝かされていた。
知らない土地の知らない部屋にいることで、若干の焦りを感じるけど、確か私って…。
『起きた?』
そこにはジャクソン先生。
「え?先生、私…あれ?」
コテージにいたのに、ここは…ジャクソン先生の家?
『あぁそうだよ。あそこで泣きながら眠ってしまってね。うちは近くだからここまでおぶってきたよ。
かなは軽いなあ。アメリカ人じゃまだ10歳の子供くらいの重さだったよ。』
「えっ!?ごめんなさい。
先生、仕事は!?」
『いいんだ。元々、今日は君と一緒で休み。
たまたま用事があって医局に顔を出したら、受付から君が受診しに来てるって聞いてね。』
え、わざわざ休みに私の相手をしてくれたの。
「本当に…ごめんなさい。」
『ハハ、かなは本当に謝ってばっかだな。』
そんな会話の中で…先生はどこからか取り出した聴診器で私の首元から診察している。
私の主治医になる人は本当に隙がない…。