未知の世界6
『かな、おはよう』
そうはっきり聞こえて、目を開けると目の前にはジャクソン先生が私を覗き込んでいた。
『起きた?』
私の手首で脈をとっている。
手には聴診器も体温計も持っているところから、こらからなのか…既に終わっているのか。
『かなの心音って、結構速い?』
もう、終わっていたようだ。
「はい。
移植のことは…。」
『あぁ、全て聞いたよ。それからずっと速く動いてるんだね。
まぁ、気にしなくていいよ。主治医さえそのことを知っていればね。』
そういうものなのか…。
『起きて、朝ごはんにしよう。』
そう言われてゆっくりと体を起こし、ベッドを整えたら、ジャクソン先生の後ろを歩いてキッチンに向かった。
ジャクソン先生に用意してもらった朝ごはんを済ませて、昨日着ていた服を着て、先生と一緒に家を出た。
昨日、ここまで来た記憶はないので、病院までが分からないと思って先生の後ろを歩いていたけど、すぐにコテージに着いて、その先を行くと大学、病院、そして寮にたどり着いた。
『僕は病院に向かうけど、まだ早いしかなは着替えてゆっくりおいで。』
「本当にありがとうございました。」
お礼を述べて寮に戻った。