未知の世界6
『かな…大丈夫?』
それから30分ほど医局で休んでいると、たけるがやってきた。
「…うん。」
たけるが隣で、黙って背中をさすってくれる。
「………何もできなかった。」
『うん。』
「私もああなるんじゃないかと思ったら…
怖かった…。」
次第は溢れる涙…。
さらにたけるが強く撫でてくれる。
『大丈夫だから、絶対にかなは大丈夫。』
そんなはずがない…
と心の中で思いながら
「ありがとう…」
と返事をした。
私のここも寿命が来るよね。
心臓に手をやると、小さくトクンと返事をする。
「はぁはぁはぁ」
突然、
息苦しくなって…目の前が揺れ始める。
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ…な…に………
これ。」
『大丈夫、大丈夫。かな落ち着いて。ゆっくり息吸って、ゆっくり吐くよ…』
そんなたけるの声が
次第に遠くなっていった…。