未知の世界6
『たける!かなが倒れたって!?』
処置室に息を切らして入ってきたのはジャクソン先生。
「はい、今は落ち着いてますが、不安定になったことで低酸素に陥ったようです…」
『そうか…』
点滴に繋がれた手首をとって、脈を確認するジャクソン先生は息を整えながらベッド沿いの椅子に座った。
かなの口には酸素マスクがされ、日頃の疲れが溜まっていたのかよく眠っている。
『さっき受けた患者が自分と同じように心臓移植していて、受け入れられなかったんだろうな。』
『そうだと思います。その話をしていたら、呼吸がおかしくなり意識を失いました。
今は落ち着いてますので、目を覚ましたら、寮に連れて帰ります。』
『寝てる間に心電図検査だけでするよ。』
そう言いながら立ち上がるジャクソン先生。
『僕も手伝います。』
たけるが言うと、
『大丈夫だよ。君は目が覚めたら連絡するから、
寮に一緒に帰って夜までそばにいてやってくれ。』
『分かりました。それでは失礼します。』
そう言ってたけるは処置室を後にした。
ジャクソン先生は寝ているかなの額に手を当てた。