未知の世界6

『気分はどうだい?』






「ぇっと…。よく眠れたおかげか、頭はスッキリしています…けど。」






『けど、なんだい?』







「なんかモヤモヤとした気分です…、」







『急患のこと?』






かなは頷いて返事をする。







『さっきの患者は意識も戻ったよ。しばらく入院が必要だけどね。』








「………そうですか。」







そう聞いても冴えない顔のかな。







『かな、気にすることはないよ。日本はアメリカと同じくらいの医療が発展していて、どちらも移植後の患者は移植していない人たちと同じくらい長生きしてる人もたくさんいるんだから。』







その一方で、長生きしていない人もいる…。






口には出さないかなだが、表情からはそう読み取れる。







『今日はゆっくり休みなさい。』







そう言いいながら、ジャクソン先生は立ち上がり、部屋を後にした。

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