未知の世界6
結局、オペ終わって吸入終わって、資料見て色々していたら岡本先生から今日は早く帰るように言われて、たけるよりお先に帰宅することになった。
はぁ、疲れたなぁ。
オペよりも吸入したり、診察受ける方がよっぽどか疲れる……。
なんて考えながら、マンションのエレベーターに入って『閉』ボタンを押そうとしたところ、
『待って待って〜』
と聞き覚えのある声がして、慌てて『開』ボタンを押すと、そこには進藤先生と幸治さんがいた。
二人がエレベーターに入ったところで、扉を閉じた。
『お疲れ様』
と進藤先生に肩をポンっと叩かれる。
「お疲れ様でした。」
そう返しながら、
そうだ……まだ今後の研修のことを聞いてなかった。
と幸治さんを見る。
この狭い空間の中だからか、進藤先生の前だからか、こちらを見る素振りはない。
まぁいつものことだから、気にしないけど。
エレベーターが止まり、二人を先に降ろしてから降りる。
後ろを歩きながら思う。
この二人と狭い空間にいるのは、息が詰まる。対等な関係に立ってしまっている気がして…。
家では幸治さんと私は対等な夫婦だけど、そこに第三者が入ることで職場と何ら変わらない関係になる。
部屋まで一番後ろを歩いてて、やっぱりこの位置が一番落ち着く…。
部屋に着き、そのままリビングに向かう。
このまま寝室に向かいたい……。
それは叶わず……。