未知の世界6
『寝ちゃった…?』
ソファから立ち上がる進藤先生は、寝ているかなの所へ。
『疲れてるんだろうね。環境も違う中で、周りも慣れない人ばかりだし。』
かなの頭を撫でながら幸治に話す。
『そうですね。僕も同じ研修しましたけど、完全にアウェイなんでオペが終わっても気を遣ってばっかり。
ただ、椎名からの話では結構向こうの方と仲良くやってるみたいで。
良くしてもらってるみたいですよ。』
『かなちゃんって、周りを引き寄せる何かがあるよね。
器用で努力家だから次から次へと仕事を覚えて、任せられることも増えてるみたいだし。頼れる存在になっていくんだろうけど……』
『やり過ぎで体を酷使してまでも没頭するから、周りはかなのことが心配になる…』
と目を合わせた二人はハハハと笑い合った。
どこまでもかなのことを知っていて、理解している二人をよそに、かなは熟睡していった。