未知の世界6

なぜこんなに眠いのか……たぶん今までの疲れがドッと出たのか、それとも熱が上がってきているのか。





それは分からないけど、またお昼を寝過ごしてしまい、気づくと午後3時。







『おはよう。』






天井を眺めていると、お父さんがやってきた。





『怠い?ずっと寝てるけど。』






「怠い訳では……。
家にいた時に比べて体は軽いです。なぜか眠くて。」






『薬も効いてるかもしれないな。
解熱剤も入れてるから。』






そうか……それで。






『だけも昼にも眠ってると食事ができないし、薬も飲んでないだろ?




それは良くないからちゃんと起きるんだよ。』





そうだった……。






「はい。」






『今朝はどこに行ってたの?心電図やるって言ってたのに。』






あれ?珍しくお父さんが怒ってる?






なんだかいつもと違う。






「トイレに……。」




『トイレって、そんなに長いかな。』





「それが……寝てしまったみたいで。」





というと、エッ!?と驚いた顔をするお父さん。






「ごめんなさい……気付いたら寝ていて。部屋に戻ったら機械は置かれてるし。私を探してるんじゃないかと思って…。」







『そうか…だけどね、熱もあるんだし、部屋で待っていてくれていいんだからね。』






「ごめんなさい。」






『心電図の結果が途中すごい波形が出てたけど……』





「それは……」





『ん?』





言ったら怒るだろうか。さっきからお父さんはいつものお父さんと違う気がする。





『何?』






「いえ……あの。何でもないです。」






やめておこう。






『かなちゃん?ちゃんとあったことは話してもらわないと。





この波形を見た時、正直驚いたよ。』






「ごめんなさい。」






『いや、謝るんじゃなくてね。』






「クシャミしてそれに驚いてしまって。もしかしたらそれかも。」






『そういうこと……。』





また違う時に心電図を行うと言い、それ以上何も言わなかった。








いつもなら私のヘマを責めたりしないし、こんな怒った雰囲気ではないのに。







まぁ気にしてもしょうがないと、それ以上考えるのはやめた。





結局、お父さんが部屋を出て行ってから、私はまた眠ってしまった。
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