未知の世界6
ベッドで幸治さんと並んで布団をかぶって、どのくらい経ったかな…。
幸治さん……寝ちゃったかな。
久しぶりに天井をゆっくり見上げている。ここ最近、帰ってきてもお風呂に入って軽く食事をして眠るだけ。幸治さんが先に帰って、お風呂も食事の準備もしてくれていた。
幸治さんだけじゃなくて、お母さんも来てくれて何とかやってこれた。
一応、今日で一つ終わった…。
一週間の休憩の後、やごな病院での研修が待っていて、それが終わると……。
あぁ!やめたやめた!
海外研修のことはとにかく今は考えないこと……。
「はぁ……」
色々考えて最後にはため息が出た。
『どうした?』
ビクッ!
隣から声が聞こえて思わず体がびくりと反応する。
「あ……いえ、その。疲れたなって。」
思っていたことをそのまま口に出せず、曖昧なことを言ってしまった。
『ん?研修か。でも、まだこれからだぞ。』
うん、知ってる…まだまだスタートラインにも立ってないこと。
この研修の最終目的は小児外科医になること。そこがむしろ医者としてのスタートライン。
そんなことを考えていると、気付くと眠っていた。