未知の世界6
それから二週間が経ち、親たちが心配していたとおり、かなの体調が戻り次第アメリカ留学となることが、決まった。
かなの体調は母親の看病のかいがあって、一週間後には状態がよくなり体重も着々と増えていた。
かな自身も今よりも体力を付けようと、過去にないくらい食事を充分に取り、外を歩いてリハビリに勤しんでいた。
それが今かなにできる唯一の仕事だということを充分に理解して。
そしてついに仕事復帰日の三日前。
検診の結果が病院で出ていた。
『かなちゃん、今日は一人で来たんだっけ?』
そう言って検査結果を見ているお父さんと進藤先生。
「そうです。そろそろ今までの生活に完全に戻さないといけないので。」
そう答えるとすかさず、お父さんが、
『そんな焦らなくても、私たちを頼ってくれていいんだからね。』
「ありがとうございます。でも、留学の話も進んでいるので…。」
お父さんたちの気持ちは本当に感謝している。
私たちの夫婦仲がうまくいってないのに、それを取り持つためか居てくれることも知っている。
『そしたら具体的に留学の話も聞いてる?』
進藤先生が恐る恐る聞いてくる。
「いえ、まだです。留学の話が早まっているということは、お父さんを通してしか聞いてません。」
『いや、チラッと聞いたんだけどね。
どうも………留学期間が長くなりそうなんだよ。』
『「えっ!?」』
それはお父さんも初耳のようだった。