未知の世界6
次に目が覚めた頃、時計を見ると日本から何時間も経っていることが分かった。
充分に寝過ぎてまだ一時間はありそうだけど、眠れそうにない。
気付いたら目の前の机には食事が用意されている。
私の目覚めに気づいたスチュワーデスが席に寄ってきた。
『お目覚めですか?何か飲み物をお持ちいたしましょうか?』
寝起きで声が出ないので頷いて返事をする。
『こちらがメニュー表です。』
「つ、冷たいお茶をお願いします。」
『かしこまりました。』
飲み物を聞かれて少しして、持ってきてもらったお茶を受け取った。
アメリカに行くのは二度目で、飛行機の搭乗は三回目となるけど、なかなか至れり尽くせり過ぎて緊張してしまう。
ずっと眠ってて良かった…。
目の前の食事に手をつけ終わる頃、アメリカの空港にだいぶちかづいてるとアナウンスがかかる。
お手洗いも済ませ、シートベルトを付けて…
苦手な着陸に備えて心を落ち着かせた。
あの衝撃は…苦手。
そしてとうとう着陸態勢に入り、目を瞑った。
今までの静かな空の旅とは打って変わり、どこかにぶつかって壊れるんじゃないかと思うほどの豪快な音が私に叩き付け、それと同時に体が椅子に押しつけられる。
数秒でそれは終わったけど、もう少し丁寧に止まって欲しいと…機体が大きいからそんなことは無理に決まってるけど、ヘリコプターみたいに真上で止まって真下にゆっくり着陸して欲しいものだな…。
目を開けると、飛行機は止まり、窓から見える壮大な滑走路に毎回圧巻させられる。さすがアメリカ…。
それから荷物を受け取り、一緒に乗ってきた先生方の後ろをピッタリとくっついて空港に迎えに来たメイソー病院の事務長さんに挨拶した。