WORLD
笹原の一つ一つの小さな文字が、言葉が、私の中に入っていく。


『どうしてあんなことしたんだろうってたくさん後悔しました。
でも、後悔しても、過去は変わりません。
なので、僕は前を向いて歩こうと思います。』


今の私も後悔しかしてない。


……そうだよね。

…………過去は変えられないんだ。

……私も前を向くしかないんだよね。


笹原が教えてくれる、その、大事なことは私の胸にストンと舞い降りて、涙となって現れた。


……笹原ずるいよ。

どうして私がこんなのになっているときにそんなことを言うの?


そのまま下に目を進めていくと、大きな空白の後、一段と丁寧な字でこう、書かれていた。

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