キミと私のひと夏の恋
ーちひろー


親父め…
俺はそっと部屋を出て親父の部屋へ行った。


ーガチャ


親父「ちひろか。」

「なんで、言うんだよ」

親父「なんのことだ」

「俺が長くない事だよ」


親父は、なにも言わなかった


「言うんじゃねーよ。」

親父「お前…気づいてたのか…?」

「当たり前だろ。あんな顔されたら誰でも気づくっつーの。」

親父「そうか。」

「俺はいつまでもガキじゃねーんだよ」

親父「…そうだな。」


親父は申し訳なさそうな、少し寂しそうな顔をした。

「親父、俺はこの身体で産まれた事一度も悔やんでねーからな。この身体で産まれたからこそ分かる大切さがあるんだよ。だから俺はなんだって全力出来んだよ。」


俺は笑ってみせた。
親父は少し涙ぐみ、微笑んでいた。


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