キミと私のひと夏の恋

ーちひろー

部屋を開けるとかのんの姿が見えなかった。

もしかしたら、トイレに行ってるだけかもしれないのに俺はすごく嫌な予感がした。

部屋を飛び出し、親父の部屋のドアを開けた


ーガチャ

「親父っ！！！！」

親父「なんだ。騒々しいな」

「かのんがいなくなった」

親父「トイレにでも行ってるんじゃないのか？」

「なんか、嫌な予感がするんだ。」

親父は、んーーっと考え込んだ。

親父「わかった。車を出そう。心当たりはあるのか？」

「一つだけ」

親父「わかった。そこに行こう」


親父は、車を出してくれた。

そして、目的の場所へ着き上を見上げた。


「かのん！！！」


俺は階段を駆け上がった。

胸はどんどん苦しくなり、呼吸すらままならなかった。
でも今は、今だけは
俺は自分に言い聞かせた。


ーガチャ


「かのんっっ！！！」


俺は今にも倒れそうだった


かのん「っつ！！！！」

「やめろ。」


かのんは、涙を流していた


「こっちにおいで。」


俺は1歩も動けず、手を差し出す事しか出来なかった。
俺の異変に気が付いたのかかのんは、駆け寄ってきた。


かのん「ちひろ？！」

「勝手に居なくなんなよ」

かのん「ちひろ？！大丈夫？！」

「大丈夫だ。」


俺は乱れた呼吸を整えようとしていた。
しかし、次第に胸に痛みが走った


「ゔぅ…」

かのん「ちひろ！！！！」


かのんの声を最後に俺は意識を失った。