キミと私のひと夏の恋
「かのん?」
かのん「ねえ、ちひろ?」
「ん?」
かのん「今、何を考えていたの…?」
かのんは俺の目をしっかり見た。
「…なにも。」
かのん「そっか…」
かのんはまた窓の外に目を向けた。
すごく傷ついた表情で…
「…かのん…」
かのん「なに?」
かのんは、無理やり笑顔を作った。
「わりぃ。」
かのん「なにが?」
「いや。なんでもねーよ。」
かのん「そっか。」
俺は言いかけた言葉を飲み込んだ。
そしてかのんは、何も言わずに出て行った。