キミと私のひと夏の恋
ー工藤ー


俺は一方的に切られた電話で悟った。

あいつ、俺にカマかけたな。
やべーな。どーすっかな


ーぷるるるる


ケータイの画面を見るとちひろからだった。


「どうした?」

ちひろ「あのさー、退院したいんだけど。」

「はあ?何いってんだよ。無理に決まってんだろ。」

ちひろ「なんで?」

「はあ…なんでじゃねーだろ。」

ちひろ「まだ安静にしてなきゃいけねーから?それとも俺がもう長くないから?」


俺は驚いた。
ちひろはやはり気づいていた。


ちひろ「なあ。どっち?」

「安静にしてないといけねーからだ。」

ちひろ「嘘つき。」

「っっっ?!」

ちひろ「別に隠さなくていいし。自分の身体なんだから、何となくわかんだよ。」

「何いってんだよ。そんな事ねーよ。」

ちひろ「工藤。無理すんなって。」

「とりあえず、安静にしとけよ。まだ仕事残ってるから切るぞ。」


そう言い、俺は電話を切った。


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