キミと私のひと夏の恋
ーゆうたー

俺は初めてちひろの発作をみた。
どうしていいか分からずベッドに寝かせ背中をさすり続けた。

しばらくすると寝息をたて始めた。


はあ…
こいつ何やってんだよ。


俺はちひろの顔を見ながらそんなことを考えていた。


ーガチャ


「しぃーー」

俺は口元に人差し指を当てた。


あいと「え?」


俺はベッドを指さした。


あいと「ちひろ?なんでいんの?」

「なんか突然来て、俺をかくまえって。」

あいと「いや、意味わからねーんだけど」

「俺のが意味わかんねーよ。でも、勝手に病院抜け出してきた事には違いねーな。」

あいと「はあ?大丈なん?」

「…いや。」

あいと「なんだよ。」

「あいつ…もう長くねーって…」


俺は俯いた。


あいと「は?どーゆー事だよ」

「俺だってわかんねーよ。」


お互い言葉にならなくて
しばらくの間沈黙が続いた。


あいと「ちひろ…死ぬって事…?」

「ぁあ…」


あいとは何も言わず俺の部屋を後にした。



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