キミと私のひと夏の恋
ーかのんー

私はちひろの病室へ戻った。


ーガラガラ


あれ?
いない…


私はそのまま病室を出てナースステーションへ向かった。


「すみません。」

看護師「戻られましたか?」

「え?」

看護師「ちひろさん、いなくなってしまって…」


私は返事もせず病院を飛び出した。


そして、暁斗さんに電話をした。


ープルルルル

暁斗「かのんさん?どうされましたか?」

「ちひろが…ちひろが居なくなってしまって…」

暁斗「実はそうなんです。」

「え?」

暁斗「病院を飛び出してしまったみたいで…。でも、大丈夫ですよ。心配なさらないでください。」

「ちひろの居場所は分かってるんですか?」

暁斗「ぇえ。なので、大丈夫ですよ。」

「どこですか?教えてください。」

暁斗「…」

「暁斗さんっ!!!!」


電話の向こうでため息が聞こえた。


暁斗「全くあなた達は…。」


暁斗さんはそういいながら、住所を教えてくれた。

タクシーの運転手に住所を伝え、焦る気持ちを抑えてその場所へ向かった。


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