キミと私のひと夏の恋
ーちひろー


あいつは何が言いてえんだ

俺には全くわからなかった。


でも、俺は俺なりに答えを出した。
かのんだけの事を考えて。。。


かのん「ん…」

「かのん?大丈夫か?」

かのん「ちひろ…」

「ぁあ。」


かのんは、急に怯えだした。


かのん「ごめんね。帰るね。」


そう言い、立ち上がった。


「かのん、待てよ。話がある」


かのんの表情は完全に怯えきっていた。

しかし俺はかのんを座らせ、話し始めた。



「かのん。よく聞け。俺は、もうお前の面倒みれねーから。だからこれから住む家とかは俺が何とかする。金もだ。」

かのん「え…?」


これが俺が出した答え。
最初は辛いかもしれない。
でも、辛いのは最初だけ。
時間が経てば忘れられる。

俺はそう考え、出した答えだった。


「かのん。今までありがとな。」

かのんは俯き、何も言わず立ち上がった。


そして、ドアの前で振り向いた。


かのん「ちひろ、家もお金もいらないよ。」

「は?じゃあ、これからどうするんだよ。」

かのん「私は大丈夫。ありがとう。」

「意味わかんねーよ。変な事考えてねーよな?」

かのん「うん。考えてないよ。だから私の事は心配しないで?でも、最後に1つお願いしてもいい?」

「ぁあ。」

かのん「ほんの少しでいいから、抱きしめて」


俺は返事もせずかのんに歩み寄り優しく抱きしめた。


かのん「ありがとう…」

「ぁあ。」

かのんの声はとても小さく、震えていた。


しばらくするとかのんからスっと離れ、1度微笑みそのまま部屋を出て行った。



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