キミと私のひと夏の恋
ーちひろー


俺は手紙を見つめゆっくり封筒を開けた。


ーちひろへー

この手紙を読んでるって事は、手術成功したんだね!!
おめでとうっ!!

ちょっとだけ、私の手紙に付き合ってね。

ちひろ?
たくさん迷惑かけちゃったね。
ごめんね?

私ね、ちひろに拾われて本当によかった。

少しの時間だったけど、ちひろのそばに居られてよかった。
本当に幸せな時間だったよ。
ありがとう。


でね、工藤さんには言わないでって言ったんだけど、きっと工藤さん罪悪感でいっぱいになっちゃってると思うから、私から言うね。


ちひろ、ごめんね。

私ね、工藤さんに頼んである検査をしてたの。
でね、その検査をする前からずっと考えてた。
私がちひろの為に出来ることってなんだろうって…。
それでね、思い付いたんだ!

もし、型がちひろと一致したらちひろにあげようって。


そしたらね、ちひろの型と一致したんだよ!
凄い奇跡だよね!!

だから、私決めたんだ。

大好きなちひろを護るために。


だからね、工藤さんは何も悪くない。
責めないであげて?

これは、私が1人で決めたことだから!
工藤さんには自殺だけはするな。
万が一の事があった場合だけは、使わせてもらうって言ってたから。

だから、私が自殺するなんて思っても見なかったと思う。

工藤さんにも悪い事しちゃったな…


でもね、ちひろが生きてるなら私は後悔してないよ!

ちひろの役にたてたから!!


勝手なことしてるってわかってる。
ちひろがそんな事望んでない事も分かってる。
でもね、もう生きてるのが辛いよ…

だから、ごめんね…

最後まで自分勝手な私を許してください



ーかのんー



は?!
なんだよそれ。

俺が、かのんを殺したのかよ


俺は頭の中が真っ白になった。





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