濃密に溶かしてあげる

場所と時間を伝えようかと思った私の耳に、
甲高い声が響いた

「ちょっとー！たぁーくん、何してるのぉ？」

は？たぁーくん？

「あ、すみません、先輩。場所と時間はメールで
お願いします。それじゃあ」

慌てたような声

知られたらマズイ相手なんだろうか

社内の誰か？

それにしても、寒気がするくらいの甘ったるい声

そういうのがタイプなんだ、、、


切れた電話を暫く耳に当てたまま、そんなどうでも
いい事を考えてた