濃密に溶かしてあげる
自宅の前で長々と話すとか、高校生じゃあるまいし

わざと面倒くさそうにため息を漏らした

「先輩、俺、諦めずに誘います」

だから、何なのよ

鮫島のくせに生意気よ?

そんな生意気な唇にお仕置きしてあげようか?

私は彼の腕を引っ張って、アパートの脇道に連れ込んだ

何事かと、戸惑う彼を壁に追いやり、ポロシャツの
襟を両手で掴んでグイッと自分の方へ引き寄せる

キスしそうな距離まで持ってきて唇に息をかける
ように、言葉を吐いた

「私を誘うなんて生意気。次なんてないから。
わかったら、さっさと帰りなさい」


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