濃密に溶かしてあげる

カチャっと鍵のしまる音に振り向いた

「なんだ、鮫島くん。会議は午後からよ。」
「知ってます。手伝いましょうか？」
「大丈夫よ。これくらい」

手を動かしながら、視線を合わせずに作業を進めてく

ドアの前に立ったままピクリともしない彼を、
不思議に思い顔をあげた

「なに？」
「先輩は勝手です」
「なんのこと？」
「自分が俺にちょっかいだすのは良くて、俺が
近付こうとすると離れていく」

いつもと違う雰囲気を纏った彼に、身体が強張る

何がどうしたというの？