濃密に溶かしてあげる
そこへ、爽やかスマイルを纏った偽物草食男子
が顔を出した

「先輩、俺が一緒にいきますよ」
「そうしてくれると私も助かるわー。じゃあ、
よろしくね!」

琴美は私と彼を交互に見ると、満足げに微笑んで
給湯室をあとにした

なによ。

そんなんじゃないのに。

「ということで、先輩、いつ現地に行きます?」
「決まったら言うわ。主任にも報告しなきゃないし」
「わかりました。」

顔を一切見ずに、私は飲み終えた紙コップを捨てると
そそくさと部署へ戻った

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