濃密に溶かしてあげる
捕らわれた愛
部屋へ戻るとき、背中に投げ掛けられた言葉が
私の奥底に爪痕を残した

「杏、俺の想いはもう忘れてくれ。今この瞬間から
ただの先輩と後輩だ。よろしくお願いします、先輩」
「えぇ、鮫島くん、よろしくね」

このときの彼の顔はきっと、一生忘れない

私の脳裏にしっかりと足跡を残して、身体中には
彼の愛が刻み込まれた


私はこの出来事を忘れるために、それからの日々は
仕事の鬼となり、一心不乱に働いた

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