濃密に溶かしてあげる
周りにいたお客さんたちの話声も、私のせいでシーンと
静まり返ってしまった

彼も驚いたように目を見開いて、私を熟視している

何をやってんだろ

「ごめんなさい。大きな声を出して。それじゃ、、」

ズカズカと歩き出し、レストランをあとにした

みっともない

一斉に注目を浴びるなんて、、、

外に出るとポツポツと雨が落ちていた

ちょうどいい。

濡れて頭を冷やそう

こんなの、らしくないわ。

雨と一緒に薄汚れた嫉妬も、気付いた感情も、
すべて流れていけばいい

なくなってしまえばいい


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