濃密に溶かしてあげる
玄関を開けると、琴美の心配そうな声が飛んでくる

「ちょっと、杏、大丈夫?」
「うん、熱も下がったし、明日は会社行くよ」
「それなら、良かったー。」
「上がる?」
「ううん、頼まれたもの渡しに来ただけだから」

ん?手元を見ても何も持ってない、、、

「何も持ってないじゃない。忘れたとか?」

琴美なら有り得る話だ

急いでいたからついうっかりなんて、よくあるし。

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