濃密に溶かしてあげる
ひとつの嘘から
一応、他に誰かいたら困るからノックだけはする

ドアノブをゆっくり回して開けた

一人なのを確認すると後ろ手に鍵をかける

「杏、、、」
「先輩でしょ!公私混同しない」
「あ、ごめん」

ホワイトボートの前に突っ立ってる鮫島をギッと
睨んでから、至近距離に迫った

ネクタイを引っ張り、ガン見しながら私は捲し立てた

「ちょっと!どういうこと?結婚する話は嘘って
聞いたわよ!そもそも嘘つく意味が分からないわ。
何がしたいのよ。」

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