濃密に溶かしてあげる
どこかバツが悪そうに視線を泳がせてから、ネクタイ
から私の手をほどき、椅子に腰掛けた

そして、ひとつ溜め息を吐くと観念したように
話始めた

「ごめん、杏の気を引こうと思って嘘ついたんだ
ガキみてーなことしてるって自嘲したけど、他に
杏の気持ちを確かめる術もなくて、だけど、
思いの外素直に反応が返ってきて、イケると思った
まぁ、見事にフラれたけどな。情けねー、、、」

ハハッと一笑して、テーブルに凭れかかる私を
見上げた

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