ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
叶えたいんだよ~暁斗side。

たとえそれが、絶対に無理だと分かっていても。




「ありがとうございましたー」

「おう、またな暁斗!くれぐれも安静にしろよー」

 診察を終えた俺がお辞儀をしながらそう言うと、空我先生は片手を振って挨拶をした。


 それを見た俺は、ドアに差し掛かったところでもう一度お辞儀をしてから、診察室を後にした。


「……兄さん!」

「光輝!妖斗と翼咲は?」


 病院の待合室に戻ると、そこには光輝がいた。迎えに来てくれるなんて思ってなかったから、びっくりした俺は結構大きな声が出た。

「……翼咲が、妖斗と朔乃に喧嘩のレクチャーすんだって」

 頭の後ろで腕を組んで、光輝はそう言って、楽しそうに笑った。


「……へぇ、そうか」


俺はそれに、穏やかに笑って頷いた。
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