ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
きっと妖斗は、俺が約束を叶えられないと言っても、笑って受け入れるだろう。
俺に見栄を張って気にしなくていいよって言って笑って、独りで泣くだろう。
そんなことをして欲しいわけじゃない。
俺はただ、妖斗が隣で笑ってくれさえすれば、それ以外どうでもいい。
そのためには、やっぱりあの約束を叶えるしかない。
でも、今の俺にも、未来の俺にも、それは不可能なんじゃないか……?
総長になれても、一体何ヶ月それを続けられる?
……いや、下手したら1ヶ月どころか、翼達みたいに毎日喧嘩をするようになったら、一週間も続けられないかもしれない。
「なんでだよ……っ!」
不可能なのが気に食わなくて、俺は布団を掴んで、嘆いた。
目覚めたこと自体奇跡の子供が、それ以上を望んじゃいけないことくらい分かっていた。
それでも俺は、あいつとの約束を叶えたい……。