ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
呪い。
紅葉side。
「お帰り、光輝! 紅葉さんも!」
「光にぃ、紅(くれ)にぃ、お帰り」
光輝の家にいくと、妖斗と、赤髪の男が玄関で出迎えてくれた。
「……紅にぃ?」
俺は妖斗の呼び方を不審に思って、顔をしかめた。
「あっ、にぃって呼ぶのクセなんです。……本当の兄さんと区別つけるためにそうしてて……嫌なら、辞めましょうか?」
「いや、いいよ。本当の兄さんって?」
「血の繋がった兄がいるんです、病弱で、今も入院してる」
なるほど。
「金が必要だったのは、それでか?」
「はい。あ、でも……これ、返します。1万円札だけ美桜さんから逃げる時に使っちゃったので、全額じゃなくて申し訳ないですけど」
そういって、妖斗はポケットからカードを取り出して、俺に渡そうとした。
「いいのか? 本当に金が必要なら、使っていいぞ」
「紅葉さん、それは人としてダメです。そんなに妖斗に安安と金渡そうとしないでください」
光輝は妖斗の手からカードを奪い取り、俺に渡そうとした。だが、俺はそれを拒否した。
「別に安安と渡してるつもりはない。妖斗だから言ってるんだ。妖斗なら、俺の父親みたいにこの金をパチンコに使ったりしないだろ」
「……それはそうですけど、ダメですよ。紅葉さんが自分の才能を活かして手に入れたお金なんですから」
「……才能?」
俺は眉間に皺を寄せて聞き返した。
「そうですよ。二十歳でNo.2なんて凄いです。客商売の才能ありますよ、紅葉さん」