ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「……ハッ、才能か。……そんな風に思えたら、楽なんだろうな。仮に俺にそんなものが備わってたとしても、それは親父に無理強いされて備わったもんでしかない。……俺はそんなのを才能だなんて思えねぇよ。むしろ、呪いだ」
俺はそう自虐するように言った。
親父にレンタル彼氏を無理強いされてなかったら、どんなに良い人生を送っていたんだろう。
才能と呼ばれたそれはただの呪いで、俺を不快な気分にしかしない。
「……そんなことを言ったら、俺たち全員呪われてますよ。俺は両親を犯罪者に殺されて実の兄が元植物状態で、翼にぃはついこの前まで腕にものすごい怪我してて、その跡は一生消えないって言われてます。それに光にぃもDVされた時の後遺症で足が悪いですし、俺たち全員呪われてます」
妖斗の言葉に、俺は絶句した。
……みんな問題ありまくりかよ。
「アハハ!確かに!俺ら全員欠陥品だよな!」
赤髪の男が、急に声を上げて笑った。
欠陥品って……。
「翼咲、言い方をもう少し考えろ」
光輝は翼咲の肩を勢いよく叩いた。
「いてっ。やめろよ光輝、俺腕の痛みとか完全に消えたわけじゃないんだから」
「……ハッ。お前ら全員わけありかよ。翼咲はあんまそんな感じしなかったから、違うと思ってたんだけど」
笑いながら、俺は言った。
「え? 俺そんな感じしなかったっすか?」
「……あぁ。真っ当な奴に見えた」
「それ当ってますよ。最近やっと真っ当になり始めたので。……こいつ、ついこの前まで、自分のこととことん大切にしないやつだったんですよ。
毎日のように煙草は吸うし、腕の傷が深いのに動き回って傷を悪化させまくるし、病院には頑なに行こうとしないしで、本当に大変だったんですよ?」
「光輝、話すなよ!!」
翼咲は光輝のことを睨んだ。
「ハッ。……くせ者だらけだな」
笑えてしまうくらい、くせ者だらけだ。
「褒め言葉ですか?」
「フッ。あぁ、褒めてるよ。お前らのそういうとこ、俺は嫌いじゃない」
俺は笑いながら、光輝の言葉に同意した。