ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「行ってきまーす!」
「翼にぃ待ってー! 光にぃ、兄さん、行ってきます!」
一足先に家を出た翼咲を追って、早足で妖斗は家を出た。
「おう、行ってらっしゃい!」
「ああ。妖斗気をつけてなー」
「うん!!」
光輝と俺が順々にそれを見て声をかけると、それを聞いて、妖斗は元気よく笑って頷いた。
「ほら、さっさと行くぞー。じゃあな光輝!兄さん!」
翼咲はそんな妖斗の頭をワシャワシャと撫でてから、家の鍵を閉めて、妖斗と二人で学校に向かった。
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「はぁ……」
「兄さん、さっきからそればっか」
ため息を吐いていると、光輝にそう指摘された。
「やっぱり昨日、何かあった?」
「……別に何も無いよ。ところで光輝、学校は?」
髪をくしゃくしゃと引っ掻きながら、俺は言った。
「ん、俺今日休み。午後に検診行くしな」
頭の後ろで腕を組みながら、光輝は言う。
「あー、今日もだっけ?」