ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
「それはよかったです。……これからよろしくお願いしますね、紅葉さん」
俺の言葉を聞いて、光輝は笑ってそんなことをいってきた。
「……あぁ。こちらこそよろしくな」
俺は頬をかきながら応じた。
「はい!紅葉さん、誰の部屋で寝ます?」
「……お前」
俺は光輝を見ながら、小さな声でいった。
「あざっす」
「あ、もしかしてそれだとせまい?」
「大丈夫ですよ。紅葉さん用の布団はもう俺の親代わりの人に持ってくるよう頼んだので、ベッドを2人で分け合うなんてことにはなりませんから。もうすぐトランクに布団を入れた車がここに来るハズです」
「……用意が早いな」
どうやら、俺がここに来る前提でことを進めていたらしい。
「はい」
ピンポーン。
「あ、噂をすれば来たみたいです」
光輝はすぐに家のドアを開けた。
「光輝、お前はいつから父親をこき使うようになったんだ?」
玄関先にいた男は、笑って軽口を叩いた。
「すみません。さすがに大人二人でベッドを分け合うのは無理なので、翔太さんに頼むしかないと思って」
どうやら、男は翔太というらしい。
「そうか。……お前が父親をこき使うくらい人に頼れるようになってくれてなによりだよ」
翔太さんは、笑いながら光輝の頭を撫でた。……仲良いんだな。まぁ義親なんだし、当たり前か。
「……翔太さん、それ、父親だから頼ってるだけっすよ。俺と妖斗には、全然頼ってくれませんから」
笑いながら言う翔太さんを見ながら、翼咲が冷静に突っ込む。
「そうなのか?」
翼咲と翔太さんが、光輝をじっと見つめる。
「……いやぁ、どうでしょう」
光輝は二人から目をそらして、俺を見た。
どうやら、自己紹介をするようにいってるらしい。