ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~

「誰にも選ばれないか?」

俺の心を見透かすみたいに、翔太さんはいう。

「はぁ。仕事で付き合ってた女に会いたくないなら、理系の男子が多い大学に行けばいいだろうが。お前はなんでも暗く考えすぎなんだよ!」

翔太さんは俺の両肩を掴んで、叫んだ。

「……少し、考えさせてください」

「わかった。じゃあとりあえず理系の大学のパンフレットくらいはそのうち送ってやるよ。……まぁ入学するなら来年の一月か四月になると思うから、十一月くらいには答えだせよ。でないと、勉強するのが遅すぎて入学試験に落ちるなんてことになりかねないからな。あ、手術を本当に受けなくていいのかも考えとけよ?」

俺の肩から手を離して、翔太さんはいう。

「……はい」

今は十月の初旬だから、答えを出すまでの猶予はおよそ一ヶ月くらいか。

「紅葉さん、俺ら三人とも相談に乗りますから。焦らず、ゆっくり考えましょ?」

光輝が俺の顔を覗き込んで、優しい声音でいう。

「……ああ、ありがと」

俺は作り笑いをして頷いた。

「そんじゃ、俺は帰るわ」

そう言うと、翔太さんはドアを開けて、部屋を出た。

光輝と妖斗と翼咲が翔太さんの後を着いていった。たぶん、玄関まで見送るつもりなんだと思う。

……俺も行くか。

俺は四人の後を追って、玄関にいった。

「じゃあお前ら、またな」

「「「はい、翔太さん」」」

光輝と翼咲と妖斗が声を揃えて頷く。

「……陽太、またな」

翔太さんが俺の頭を撫でて、笑って言う。

「……はい」

俺は消え入りそうな声で頷いた。

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