ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
妖斗side
「どうした、妖斗!ブラコンのお前がそんなふうに兄さんのことを悪くいうなんて!!」
俺の肩を揺さぶりながら、光にぃは叫ぶ。
「……いや悪口というか、事実だよ。俺が兄さんの悪口言うわけないじゃん」
「それはそうかもしんねぇけど、そんなこと滅多に言わないだろ」
「……俺がしっかりしなきゃいけないから。ちゃんと現実見て」
そうしないと、紅葉さんの時みたいに、誰かに迷惑をかける可能性があるから。
「アホ。最年少がしっかりしなきゃとか考えなくていいんだよ。もっと俺らを頼れ!」
俺の頭を軽く叩いて、翼にぃはいう。
「……うん」
『――あいつが疲れてるかどうか本人に聞かずに見破れんのは、お前だけだ』
空にぃの言葉が頭をよぎる。
兄さんのコンディションを見極めるのは俺の役目。
誰かに頼るにしろ、頼らないにしろ、どっちにしろ俺がしっかりしなきゃ。
――兄さんの異常を感じ取れるのは、俺だけなんだから。