ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~
その後、俺は兄さんの意向に従うことにして、学校へと足を進めた。
「あれ妖斗、今日は暁兄さんと一緒にいるんじゃなかったのか?」
昼休みに教室に来た俺を見て、翼にぃは首を傾げる。
「そのつもりだったんだけど、学校に行けって言われて」
「ああ、暁兄さん真面目そうだもんな。そりゃ妖斗に注意するよな」
「……うん」
「元気そうだった?」
「うん、大丈夫そう」
平気だよね。そんな明らかにつらそうな感じじゃなかったし。
「そしたら夜は暁兄さんも連れてみんなでファミレスでも行くか。暁兄さんに紅葉兄さんのことも紹介しないとだし」
「あれ翼にぃ、呼び捨てするんじゃなかったの?」
「いやそのつもりだったんだけど、昨日光輝に凄い怒られたから、やめようと思って」
「ははは、確かに。いっそ翼にぃもにぃって呼べば?」
「いやそれはいい。何だか恥ずいし」
耳を赤くして、翼にぃは言う。
「ふふ、照れちゃって。おはよー、妖斗」
「……あ、真凛。おはよう」
隣のクラスの真凛が教室に入ってきて、俺に声をかける。
「ね、妖斗、少し話さない?」
「……うん。翼にぃ後でね」
「ん」
俺は翼にぃに目配せをしてから、真凛と一緒に、教室を出た。